型枠工事

■完成時には残らない、しかし重要度の高い工事

型枠工事とは、建物を建設する際に必要となる型枠を組み立て、そこにコンクリートを流し込み、成型していく工事です。ほとんどの鉄筋コンクリート造の建物で行われていますが、一般住宅の基礎工事などでも型枠工事は行われます。

いわば型枠は躯体を形成するための鋳型。工事手順を簡単にご説明すると、まずはベニヤや金物を使用し、コンクリートを流し込む型枠を作成します。型枠が完成したらコンクリートを流し込み、硬化後、型枠を解体するという流れです。コンクリートは様々な建設物で使用されている素材ですが、硬化前は流動体のため、成型するために型枠工事を行うのです。

 

○信頼するのは「人の技術」

今や様々な工事現場で利便性の高い重機や機械が導入される時代。しかしこの型枠工事において信頼されるのは「人力」、「人の技術」です。なぜなら型枠工事に求められるのは非常に高度な精密さであり、その精密さが土台の強度や仕上がりのクオリティを左右するからなのです。

もし型枠工事の現場が機械化・省力化してしまったら、画一的な建物しか建設できなくなってしまうでしょう。クオリティも下がってしまうかもしれません。建物においてもっとも重要視されるのは、やはり強度や耐震性、また建物そのもののクオリティです。人の目で見て、人の手で造り上げるからこそ、確固たる建物を建設することができるのです。

 

○誤差は±3mm以内

一般的に業界内の誤差許容範囲が、垂直精度±3mm以内といわれています。この精密さこそが建物の強度やクオリティを左右するため、これ以上の歪みは決して許されません。コンピューターを使わず、人の目と技術だけで精巧な型枠工事を行うには「10年かかる」と評されるほど。しかしその蓄積された経験と技術が、今の日本の建物を築いているといっても過言ではありません。

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